調査報告書3 イベントCG その3

七夏ちゃんは壇上に立ち、講堂のみなに向けて演説をしていた。

 七夏「みんな、一年前の状況を覚えてるっ?」
 七夏「AGバトルにおいて、戦えば西学に負ける日々――」
 七夏「我らが東学にかけられるべき予算は削られ、ボロボロの設備にあえぐ黒歴史っ!」
 七夏「そんな時代に戻りたいっ!?」

  演説のさなか、七夏ちゃんが大きく腕を振るった。
  すると、学園生たちの間から「ノーっ!!」の大音声があがる。

 七夏「そうっ、もう今はあんな時代と違うっ!」
 七夏「今年は自前のプールで水泳ができたし、冬には新しい体育館も使用可能になる予定っ!」
 七夏「学食のメニューは質もあがって充実し、西学でさえ取り扱ってないパスタも加わった!」
 七夏「日替わりパスタを好んで食べてる人は、手をあげてっ!」

  言いながら、壇上の七夏ちゃん自身が真っ先に手をあげる。
  ビシッと、音に聞こえそうなほどに勢いある挙手。
  それに釣られるように、講堂の学園生たちからもかなりの数の手があがった。
  七夏ちゃんは、挙手した腕をさらに大上段に振り上げ、言葉を続ける。

 七夏「さあ、次はどこに手を入れたいっ? まだまだ不便な設備は残ってるわよねっ?」
 七夏「なんだっていいわ、望んで努力すればそれが叶うっ!」
 七夏「それがこれからの、我らが東栄峰学園のあるべき姿っ!」

  壇上で腕を振るい、七夏ちゃんは皆の心をつかんでいく。
  その姿は、あたかも舞台の上で観客の魂を揺さぶる演技を見せる役者のよう。

 七夏「敗北主義者は馬に蹴られて、あさってへまで飛んで行けっ!」
 学園生たち「おおおおおおぉぉぉぉぉぉーーっ!」

  講堂に、みなの歓声が響き渡った。

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